【ひろしまNPO人物ファイル⑨】おのみち日本語教室 代表 岡田紀子さん –「話せば分かり合えるから」。交流を通してみんなが仲良く暮らせる尾道市に

ひろしまNPOセンターでは日本国際交流センター(JCIE)休眠預金活用事業の実行団体として、2024年4月~2027年2月まで「外国ルーツを持つ若者が自ら進路を選べることを支える官民一体となった仕組み構築事業」(外国ルーツ若者キャリア支援事業)に取り組んでいます。外国にルーツを持つ若者*がことばや文化の違いにかかわらず、進学や就職の情報にたどりつき、キャリアを選べる社会を目指し「支援者がつながることで、よりよい支援を提供できる」という想いで活動しています。 *本事業では高校生世代を想定
シリーズ「ひろしまNPO人物ファイル」では、外国ルーツを持つ若者の支援者に焦点を当て、活動や人物についてご紹介します。今回ご紹介するのは、尾道市の「おのみち日本語教室」で代表を務める岡田紀子さんです。「私に日本語を教えられるのか」と思いながら初めて教室の扉をたたいて以来、約15年間、教えることだけでなく外国人住民との交流を楽しみ続けておられます。教室を通して得られるやりがいや、岡田さんが思い描く尾道市の姿もお聞きしました。
(聞き手・文・写真:事業スタッフ 吉本)
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吉本:まず「おのみち日本語教室」についてご紹介いただけますか?
岡田:「おのみち日本語教室」は2000年に設立された教室で、毎週火曜19:00~20:30、尾道市の日比崎公民館で活動しています。基本的に生徒さん一人に対してボランティアが一人、ペアで学習しています。生徒さんの日本語レベルによって、日常会話を練習したり、日本語能力検定試験の取得を目指して勉強したりしています。
吉本:個人のニーズに寄り添っていらっしゃるんですね。岡田さんが日本語教室に関わるきっかけは何でしたか?
岡田:約15年前、新聞記事で「おのみち日本語教室」についての紹介を見たことです。それまでは生活がいそがしかったんですが、あるとき少し時間に余裕ができたんですね。海外旅行をしたり、英語の検定を受けてみたり。外国人に日本語を教えるボランティアもおもしろそうだな、と参加したのが始まりでした。教え方も何も分からなかったけど、当時の代表が「誰でも大丈夫」と言ってくださって、それが励みになりました。今も教室では、外国人と話したことがなくても上手に日本語を教えられなくても大丈夫だから、興味があれば来てみてください、とボランティアを募集しています。
吉本:そうだったんですね。そこから日本語教師の資格を取得されたそうですね。
岡田:日本語を教えるのが楽しいと思えたからボランティアを続けてこられましたが、生徒さんの日本語レベルに合わせて教えるのが難しいとも感じて、学校に通って資格を取得しました。今は日本語学校でも非常勤講師として教えていて、教え方を勉強することが日本語教室の活動にも役立っています。
吉本:日本語を教えていて楽しいと思うのは、どんなときですか?
岡田:生徒さんと信頼関係ができたときはうれしいですね。日本語教室で教えていた生徒さんが自分の国に帰るときに「ぜひ遊びに来てください」と言ってくれるとか、そんなつながりができるのがおもしろいです。本当に行くよ!と、娘を連れてバングラデシュへ行ったときは、元生徒さんが親身に1週間あちこちを案内してくれました。
吉本:そうやって関係性が続いているのは素敵です。日本語教室の活動で大事にしていることはありますか?
岡田:皆さんが来て楽しいと思えるのが一番だと思っています。生徒さんが間違いながら日本語を話していても、私はあまり訂正しません。だいたいの意味を汲み取ることができたらそれでよし、ということにしています。もちろん、間違いを直してほしい生徒さんもいるので、希望に沿ってあげるのが大事ですね。あとは一生懸命に教えてあげようとして、教えすぎや話しすぎにならないように、できるだけ生徒さんに話してもらいます。レクリエーションは年に3~4回、夏祭り、バス旅行、日本の文化体験会などをやっています。普段はペアの活動で、他の参加者を知らない人もいるから、お互いに発見があるみたいで楽しそうです。皆さんの表情が違いますね。そうして皆さんが顔見知りになって、教室に来て「こんばんは!」「元気ですか?」と交流が生まれる。ペアで楽しそうに話していたり、たまに周りのペアを巻き込んでいたり。教室の見学に来られたボランティア希望の方に感想を聞いたら「熱気に溢れていてびっくりした」と言われます(笑)。それがこの教室らしさですね。今は生徒さん、ボランティアを合わせると登録者が80名くらいいて、勢いがあります。私にもし何かあったとき後継者になってくれる人がいるのかな、と人材確保が心配でもあります。それでも、教室をずっと続けていけたらいいなと思いますね。
吉本:活気あるようすが伝わります。日本語教室の活動を通して、尾道市がどんなふうになるといいなと思いますか?
岡田:外国人に対する偏見がなくなってほしいです。近所に外国人が住んでいて、ちょっとしたことで誤解が生まれることもあるかもしれません。でもそれは「外国人だから」じゃない。公平に見られていないことが問題だと思うんです。話してみたら、いい人だって分かる。それをみんなが理解して、仲良く暮らしていけるようになったらいいですよね。……あ、こんばんは!どうぞ、入ってください。
吉本:皆さんが教室に集まってこられましたね。岡田さん、ありがとうございました。
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