【ひろしまNPO人物ファイル⑥】ひろしまNPOセンター スタッフ 吉本絢 – 結局みんな「人」だから、特別扱いせずに助け合いたい。多文化共生に関わる人の思いを発信する広報スタッフ

ひろしまNPOセンターでは日本国際交流センター(JCIE)休眠預金活用事業として、2024年4月~2027年2月まで「外国ルーツを持つ若者が自ら進路を選べることを支える官民一体となった仕組み構築事業」(外国ルーツ若者キャリア支援事業)に取り組んでいます。外国にルーツを持つ若者*がことばや文化の違いにかかわらず、進学や就職の情報にたどりつき、キャリアを選べる社会を目指し「支援者がつながることで、よりよい支援を提供できる」という思いで活動しています。*本事業では高校生世代を想定
シリーズ「ひろしまNPO人物ファイル」では、外国ルーツを持つ若者の支援者に焦点を当て、活動や人物についてご紹介します。今回ご紹介するのは、ひろしまNPOセンタースタッフの吉本絢です。2025年7月から本事業の事務局スタッフとして入職。現在は外国ルーツ若者キャリア支援事業の事務局として、広報業務などを担っています。入職のきっかけや、本事業への思いについてお伺いしました。
(聞き手・文:NPO法人ETIC. 木村静)
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木村:まずは、ひろしまNPOセンターでされている仕事について教えてください。
吉本:外国ルーツ若者キャリア支援事業のスタッフとして働いています。私が特に力を入れているのが広報活動で、その一環で「ひろしまNPO人物ファイル」とうたい、広島県内の多文化共生分野で活動する方にインタビューをして、記事を書いています。あとはチラシを作ったりとかも。
木村:昨年入職してこの仕事をされていますね。きっかけは?
吉本:前職は東京で会社員として働いていたんですが、利益や効率の追求を続けるイメージがわかなくて。大学時代を広島で過ごして、広島に帰りたいなって思いました。「広島、社会貢献、NPO」と調べた時に、DRIVEキャリアという求人サイトに出会って、この事業の求人にたどりついて、ご縁を感じて応募しました。
木村:実際に働いてみてどうですか?
吉本:2026年7月で丸1年になります。今の事業には途中参加する形になったので、最初は何をしていいのかわかりませんでした。出会う方たちに顔を覚えてもらいたい、頼ってもらえるようになりたい、でもどうしたらいかわからなくて、悩んだのを覚えています。でも、自分なりに何ができるか考えて、その一つの答えが今やっている「ひろしまNPO人物ファイル」な気がしています。自分のやりたいこと、できることが見つかったので、今はやりがいに燃えています。
木村:最初は悩みながら働いていたんですね。インタビューを始めたことで、自分の役割を見つけられたのでしょうか。改めて「ひろしまNPO人物ファイル」について、教えてください。
吉本:広島県内で多文化共生の分野で活動している方たちは、その分野では知られていると思うんですが、検索しても出てこない、可視化されていないこともある。それが記事になることで、今まで知らなかった方に知ってもらえたり、こういう時はこの人に聞いてみようって思えたり、そんなとっかかりになれたらいいなと思ったんです。「ひろしまNPO人物ファイル」、ネーミングセンスがなさすぎてこうなっちゃったんですけど(笑)。
木村:わかりやすい名前だと思いますよ。企画を進めてみてどうですか?
吉本:すごく勉強させてもらっています。少しだけ記者職をしていたことがあるのですが、インタビューが得意なわけでもないし、文章力に自信があるわけでもなくって、インタビューする人間としては、まだよちよち歩きの感覚なのですけど。多分化共生の分野で活動している方の思いを伺って勉強になりますし、私自身がこれから生きる上で、こういう言葉を聞けてよかったなと思う瞬間もあります。そして、多文化共生への関心がより高くなりましたね。大学時代の留学先で私自身が外国人の立場になったり、広島の大学では留学生との交流をしたりして、いろいろな国籍の方たちと交流する経験をしてきました。多文化共生という言葉自体には馴染みがなかったのですが、今の仕事につながっているというか、すごく自然にこの仕事をしているような気がします。
木村:海外はカナダに留学生として行かれたんですよね。その時のエピソードで思い出すことはありますか?
吉本:カナダでは、外国から人が来ることを当たり前に受け入れる文化というか、留学生ですと言っても「あ、そう」みたいな感じでした。日本で「外国から来ました。日本語を勉強しています」って言う方に「えー、すごいね」っていうリアクションをよく見る気がします。カナダでは「日本から来ました。英語を勉強しています」って言っても珍しがられない。それだけ多様な背景があるのが当たり前な環境でした。サポートはしてくれますけど、特別扱いされない。「日本語を勉強していて偉いね」と言いがちだけど、それって特別扱いにもなりかねない。距離を感じる人もいますよね。あくまで私の経験なのですが。
木村:大学時代は外国人留学生支援をやっていたそうですね。
吉本:留学生をサポートする学内団体に所属していました。留学生1人につき日本人1人でペアになって困ったときのサポートや、交流イベントの企画もしました。私がペアになっていたのは台湾からの留学生でした。一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりして、帰国後は私が台湾に会いに行きました。いい出会いでした。
木村:それも多文化共生ですね。この1年弱で、一番印象に残っていることは?
吉本:2026年3月、江田島市に「えたじま日本語クラブ」の見学に行きました。この事業でご一緒している胡子和子さんが支援されてきた外国ルーツの高校生・大学生と直接お話できたのが印象に残っています。それぞれの中に強さを感じました。もしかしたら私の中で、彼らは支援される側だと考えていたのかもしれません。自分のことを自分で決められて、自分のやりたいことがちゃんと明確にあり、生きていく力がある人たちだって思ったんです。日本で生まれ育った人とは違う背景を持っていても、1人の人なんだなってすごく感じたんです。
木村:外国ルーツの高校生・大学生から生きる力強さを感じたんですね。
吉本:はい。支援される側だとしても、弱いわけじゃない。それぞれ自分がやりたいことや、自分自身の意思を明確に持っています。だからこそ、こうしてあげたいという気持ちだけじゃ必ずしも支援は成立しないんですね。支援したいと思う気持ちは大事ですが、決して、やってあげているんだという気持ちになっちゃいけないんだなと感じました。
木村:本人がどうしてほしいか、どうありたいのかを考えずに、外国人だから支援してあげようと単純に考えてはいけないですね。今後の抱負を聞かせてください。
吉本:もっと現場を知りたいです。中間支援組織の一員として、関わっている現場を知らないのはすごく失礼なことだと思っています。個人としても最近、地域日本語教室のボランティアを始めたところです。学習者さんと話すことが楽しいのはもちろんですが、ボランティアとして参加している方と話すと、この事業で知った支援する側の課題は共通していて。テキストの使い方や、初めて教室に来た学習者さんの対応など、現場の課題を直接聞いて、自分の中に落とし込めるのも参考になります。これからも関わっていきたいですね。社会の個人としては、結局はやっぱり、みんな人だなって思うんです。置かれる状況の違いによって抱える課題も、必要な支援も違いますし、それをふまえて支援する人の存在も大事だというのは、大前提としてあります。でも、やっぱりベースはみんな人なんです。だからこそ、人と人同士、助け合わないといけないし、差別なく、それぞれが人として接していけるといい。外国人だからとか、日本人だからっていう考えだけじゃ、やっていけないと思うんです。みんな自分の意思を持っている、自分のことを自分で決められる人なんですから。
木村:ありがとうございました。
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ひろしまNPOセンター(担当:吉本)
電話:082-258-1348
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